廃線宮田線の散策と切符/茜堂

途中下車、宮田線の廃線跡を歩く=茜堂

茜堂の沿線、福北ゆたか線(博多〜桂川〜折尾〜黒崎)勝野駅での、途中下車有難うございます。

平成24年10月20日に、約23年振りに旧宮田線を、勝田駅方面から筑前宮田方面へとトレースし、廃線跡を散策しています。
距離は勝野駅を起点として、磯光駅跡まで2.6Km、終点の筑前宮田駅跡まで5.3Kmの旅。
途中の廃線跡は、一部踏み込むのに躊躇する部分も有る為、横の道路から眺め乍ら歩く事となります。
   
当然の事乍ら、遠回りをする事となりますので、往復で12〜3Km程の道程を、カメラを抱えて帰りの苦行を楽しめます。
所々、まだ遺構が残されていますが、中程では道路化されている為、歩くには楽ですが、遺構を発見するのは難しくなっています。
また、線路は全て撤去されている模様です。要所要所で探して見ましたが、発見には至りませんでした。

   

それでは、以下の画像と解説にて、宮田線の往年の雰囲気を、想像し乍らお楽しみ下さい。

茜堂-宮田線廃線散策地図
茜堂-宮田線廃線散策地図

勝野駅(楕円画像)のホーム左側には、且つて有った広大なヤード跡が、見て取れます。
磯光駅跡付近から、菅牟田方面へ向かう旧貨物支線跡も、一部ですが十分確認出来きます。
駅跡から望むと、緩やかに離れ行く、途切れた袋小路の小道が、生活道路では無く、分岐された貨物支線跡で有ると、教えてくれます。

   

今回は、菅牟田支線跡は立ち寄っていませんので、それ以上の情報はございません。
   

茜堂-宮田線廃線(1)

1)勝田駅を出て、直ぐの所に有る橋梁跡。鉄橋と煉瓦造りの橋脚が、現役の様な形で残されています。
   

茜堂-宮田線廃線(2)
茜堂-宮田線廃線(3)

2)菰牟田踏切跡地点より、築堤跡を望む。
3)同じく菰牟田踏切跡地点より、築堤跡を望む。築堤は右方向に、緩やかにカーブを切っています。
   


茜堂-宮田線廃線(4)

4)霧ヶ浦踏切跡。築堤から平野部へ移行し、これより右側は、道路化されています。
   


茜堂-宮田線廃線(5)

5)道路がこの部分のみ、別途、横に大きく台形状に広がっています。駅舎前に有った旧道部分です。
この場所に、磯光駅が有りました。これから先は、暫く、鉄道の痕跡は見当りません。
また、ここから右手前に分岐して行く、菅牟田支線跡が見て取れます。
   


茜堂-宮田線廃線(6) 茜堂-宮田線廃線(7)

6)道路化された部分の突き当たり、本白踏切跡。前方部には、橋梁と築堤が残されています。
7)後に設置されたガードレール付きの、橋梁跡が残されています。築堤が延びて行きますが、この先の道路化はされておりません。
   


茜堂-宮田線廃線(8) 茜堂-宮田線廃線(9)

8)後から継ぎ足された、コンクリート橋梁が、しっかりとした形で残されています。
その下に有る、本来の煉瓦橋台は、当時の通過車両の重圧で、徐々に沈下しています。これは、炭坑地特有の地盤現象に因る物です。
9)橋梁の上には、線路の敷石に使われた、当時のバラストが、そのまま撤去されずに残されています。
   


茜堂-宮田線廃線(10)

10)旧筑前宮田駅前のロータリー部分、トイレ部分は駅時代の流用物。築堤部から、構内へ繋がる部分は未開で、封鎖されています。
   


茜堂-宮田線廃線(11) 茜堂-宮田線廃線(12)

11)筑前宮田駅乗客ホーム跡。貨物ホームが跡が先まで続いています。広いヤードの跡は開発されずに、そのまま残されています。
12)駅舎付近のホームに有った、レール使用の柱跡。
   

画像にして並べてみると、廃線後、四半世紀も経ってはいるが、かなりの遺構が残されている様です。
当路線は、比較的平坦な区域を走っている為、薮の中に入らない以上、危険度は極めて低いので、ピクニック気分で楽しめました。

   

まだまだ、マクロ的に探索すれば、時代に逆らって隠れている、お宝シーンが見つかるかもしれません。
本ページでは、平成24年10月20日時の情報として、クローズさせて頂きます。
また、探訪に行く機会が有り、何か見つかれば、その時は追加情報として、掲載させて頂きます。



宮田線の廃線入場券と乗車券=茜堂

宮田線は、明治35年2月19日に、九州鉄道の貨物線として、勝野〜宮田間で開業を迎えます。
その数年後には、宮田駅は桐野駅に改称されます。
明治37年11月25日には、後の磯光駅から菅牟田駅までの、支線も開業(後に枝線も開業)し、石炭運輸で活気を呈する事となります。
   

明治42年10月12日、官鉄として筑豊本線貨物支線と、名称が制定されます。
旅客営業は、明治45年7月21日、勝野〜桐野間で開始され、それに伴い線名も桐野線と改称されました。
昭和12年8月20日、線名を宮田線に改称しそれに伴い、桐野駅は筑前宮田駅へと改称されます。
   

貝島炭坑の石炭運送の為に、開通した当線も、昭和51年6月の閉山に伴って、貨物輸送を失い、
その後の旅客減少により、遂に廃線となりました。

   

昭和52年7月20日には、貨物支線である磯光〜菅牟田貨物駅間が、廃止されます。
第三次特定地方交通線として、昭和62年2月3日に、廃止承認がなされ、
九州旅客鉄道に承継された後、平成1年12月22日を最後に、長い歴史に幕を閉じました。

茜堂-磯光駅の入場券
茜堂-磯光駅80円入場券 茜堂-磯光駅100円入場券
茜堂-磯光駅30円入場券
茜堂-磯光駅120円入場券
茜堂-磯光駅140円入場券(代用券)

昭和49年12月20日、国鉄30円、門司印刷場3期券。昭和54年5月8日、国鉄80円、門司印刷場1期券。
昭和56年3月23日、国鉄100円、門司印刷場1期券。昭和59年1月23日、国鉄120円、門司乗車券管理センター1期券。
昭和60年8月9日、初乗り乗車券使用の代用入場券(訂正印での押印)、国鉄140円、門司印刷場、JNR赤地紋。

宮田線磯光駅、明治45年7月21日開業。廃止、平成1年12月23日。
乗車券使用の代用入場券は、乗車券としても使える、北海道に有る様な、併用制度の入場券では無く、
券面の訂正印に表示されていますとおり、入場券に訂正され、旅客車内には立入る事が出来ませんので、乗車券としての機能は有りません。


茜堂-磯光駅の乗車券
茜堂-乗車券(筑前宮田〜磯光〜勝野)

宮昭和48年6月28日、矢印式片道乗車券、磯光〜30円区間、国鉄、JNR青地紋。

茜堂-筑前宮田駅の入場券
茜堂-筑前宮田駅10円赤線入場券

昭和35年8月27日、赤線入場券、国鉄10円、門司印刷場1期券。

九州の赤線入場券では、赤の色褪せが顕著ですが、当券は発色状態が良好です。
   

茜堂-筑前宮田駅30円入場券
茜堂-筑前宮田駅30円入場券(エラー券)

昭和35年8月27日、国鉄10円、門司印刷場1期券。
昭和51年2月13日、国鉄30円、門司印刷場3期券。昭和51年5月10日、国鉄30円(
エラー券)、門司印刷場3期券。

宮田線筑前宮田駅、明治45年7月21日開業、昭和59年2月1日無人化、平成1年12月23日廃止。
右側の、30円入場券では「普通入場券」の文字が、「普通入場場」となり「券」で有るべき文字が「場」となっている、エラー券です。
   

茜堂-筑前宮田駅80円入場券
茜堂-筑前宮田110円入場券
茜堂-筑前宮田駅310円入場券 茜堂-筑前宮田駅120円入場券

昭和54年1月29日、国鉄80円、門司印刷場1期券。昭和57年3月21日、国鉄110円、門司印刷場1期券。
昭和59年4月17日、国鉄120円(直方駅依託)、門司乗車券管理センター1期券。

左上の券は、80円の初期の頃の、珍しい旧様式券。80円の初期以降は下記の様に、駅名が上に来る新様式券となります。
また、当券は、発行期間が10ヶ月と短く、当券は、その初期の頃にしか見られない、希少な入場券です。

茜堂-筑前宮田駅の乗車券
茜堂-乗車券(小竹〜筑前宮田〜直方)

昭和48年7月22日、矢印式片道乗車券、筑前宮田〜40円区間、国鉄、JNR青地紋。
   

茜堂-筑前宮田駅金額式乗車券(130円) 茜堂-乗車券(筑前宮田〜勝野)最終日券

昭和59年12月10日、金額式片道乗車券、筑前宮田〜130円区間=直方駅依託、国鉄、JNR赤地紋。
平成1年12月22日(
廃止最終日券)、一般式片道乗車券、筑前宮田〜勝野、180円=直方駅発行、JR九州、JR赤地紋。
   

茜堂-往復乗車券(勝野〜筑前宮田)最終日券

平成1年12月22日(廃止最終日券)、往復乗車券、勝野〜筑前宮田、360円(勝野駅発行)、JR九州、JR青地紋。

硬券分類に付きましては、スミ文字表現に重点を置き、活版字組上の微妙な文字、及び線の長短や位置相違に付きましては、別類とはせず、
同類での亜種とみなし、その類として同期扱いとしています


茜堂-宮田町駅の国鉄バス乗車券
茜堂-宮田町国鉄バス乗車券100円区間(表)
茜堂-宮田町国鉄バス乗車券100円区間(裏)

昭和61年1月27日、金額式片道乗車券、宮田町〜100円区間、国鉄バス=直方線、宮田町駅発行、国鉄、JNR赤地紋。

筑前宮田駅とは、かなり離れた場所に位置します。大正3年に開業した、鞍手軌道(直方〜福丸)の宮田駅が基となり、
昭和13年に、直営バスに転換した後、国鉄が買収し、現在に至っています。

昭和34年には、当地の春日神社を移転させて、回転場を設けています。当時は、売店や駅員が常駐していましたが、現在は全て無人です。
   


茜堂-国鉄バス往復乗車券(宮田町〜博多)表
茜堂-国鉄バス往復乗車券(宮田町〜博多)裏

平成6年10月14日、特殊往復乗車券、宮田町〜博多=犬鳴経由、JRバス=直方線、宮田町駅発行、JR九州、JR赤地紋。

特殊往復乗車券は、昭和22年4月30日に設定され、季節に応じて、又は一定の期間内に区間を定めて、割引販売されています。
昭和42年の割引乗車券制度では、
特殊往復乗車券と特殊観光乗車券との、二制度に分離されてましたが、
後者の、特殊観光乗車券は、昭和58年に、丸企が入った特別企画乗車券(通称トクトクきっぷ)に、改称されています。

茜堂=筑前宮田駅のスタンプと記念入場券
茜堂=筑前宮田駅のスタンプ 茜堂=筑前宮田駅のスタンプ
茜堂=筑前宮田駅のスタンプ

いい旅チャレンジ20,000Km=いいたびチャレンジにまんきろ、宮田線終点、筑前宮田駅スタンプ、色図柄違いの三種類。

いい旅チャレンジ20,000Kmは、昭和55年3月15日から10年間、国鉄全鉄道路線の完全乗車(完乗)を、目的として始められた、
国鉄のキャンペーンで、その後に民営化された、JR各社にも引き継がれ、平成2年3月14日を以て終了しました。
   

茜堂=筑前宮田駅の記念入場券

昭和57年7月21日、宮田線旅客営業70周年記念入場券、筑前宮田駅、120円、筑前宮田駅発行。

裏面には写真説明と宮田線付近略図入り、画像サイズは他の画像とは、異なり縮小されています。
写真説明、アルコ(貝島炭坑専用SL)、1920年、炭鉱内の充填用土砂や資材を運ぶ為に、アメリカから購入した二番目のSLです。
その後56年間、炭坑と共に走り続け、九州で最後迄残った、記念すべきSLです。(以上は、切符裏面の記載内容より。)

   

アルコは、アメリカ最大の車両製造会社で、アメリカ・ロコモティブ・カンパニーの略称です。
ボイラーの両側に置かれた、四角い水タンクから、地元では、弁当箱の愛称で親しまれていました、貝島鉄道(大之浦炭坑専用鉄道)、
アルコ社製のSL23号機は、現在、小竹駅近くの総合運動場にて、静態保存されています。
   
因に僚機、アルコ社製SL22号機は、宮田石炭資料館に、コッペル社製SL32号機は、直方市石炭記念館に、それぞれ保存されています。



宮田線さよなら記念入場券=茜堂

平成1年12月22日、さよなら宮田線の入場券、SLの画像が入っていますが、SLはこの時代には、既に消えております。
宮田線は、昭和49年7月19日最終の貨物牽引機、29695で無煙化を迎えています。

イラストのC11は客車牽引用で、昭和47年の春には宮田線の運用から、既に外されています。
   

茜堂-宮田線さよなら入場券(表) 茜堂-宮田線さよなら入場券(裏)

平成1年12月22日、さようならJR宮田線、筑前宮田駅、勝野駅、記念入場券、門司乗車券管理センター、JR九州、JR緑地紋。

図柄のC11は、SL晩年の直方機関区で、最後まで残っていた、C11196号機で、昭和15年10月15日に、川崎車両兵庫にて新製され、
西唐津に配置。以降は、熊本、早岐、門司を経て、昭和39年4月1日に、直方機関区に配属されました。
その後、昭和47年3月末に、熊本機関区に転出され、昭和49年5月28日に、小牛田運転区にて、廃車されています。



宮田線のさよなら乗車証明書=茜堂

平成1年12月22日、さよなら宮田線のヘッドマークを掲げた、急行色のキハ58による、筑前宮田発上り158Dレが最後の運用を終え、
翌日からは、レールは響きを奏でる事も無く、駅も役目を終え静かになりました。

筑前宮田駅発、先頭キハ581143、直方行き上り最終158Dレ、午後23時16分発にて、筑前宮田駅の最終となりました。
   

茜堂-宮田線最終列車乗車記念証明証(表)
茜堂-宮田線最終列車乗車記念証明証(裏)

平成1年12月22日、さようならJR宮田線、最終列車乗車記念証明書、門司乗車券管理センター、JR九州、JR緑地紋。

周辺の廃止路線でも、最終列車乗車記念として、同類の地紋入りの、D券での記念乗車証明書が、最終列車の乗客に配られました。
また、国鉄末期にも同じ様な、地紋入りのD券での記念乗車証明書が、最終列車の乗客に配られています。
全国的にも、同類の記念乗車証明書が、発行されていますが、硬券切符に近い姿で、発行されていますのは、九州管内のみとなっています。
   
宮田線の入口、起点駅で有った、且つての勝野駅は、西側に広大なヤードを構え、幾多の列車が行き交っていましたが、
宮田線廃止後は、見る影も無く、線路が撤去された広大な敷地を横たえたまま、無人駅となっています。
現在は、駅舎すら有りませんし、桂川駅から折尾駅までの区間で、唯一快速列車が通過すると言う、寂しい駅となっています。
   
因に、福北ゆたか線での全ての快速列車は、筑前大分駅〜折尾駅間では、
且つての分岐駅で有る勝野駅を除き、各駅に停車すると言う、少し特殊な、区間快速となっています。




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