やまぐち号D15 200号機/茜堂

【阿東路の旅やまぐち号撮影記=茜堂】


やまぐち号運用のD51 200号機、初年度前期の最終日を撮るべく、前日早朝から出発する。
筑前大分駅発6時46分の、普通2629H列車で博多へ、前日の天気予報では、全日晴れだったが、予想を裏切り朝から生憎の小雨模様。
博多駅発7時37分の、臨時特急ひかり580号(N700系)、3580A列車(S13編成)の1号車、普通席に乗車する。

雨は、厚狭駅通過頃には上がり、曇天が広がり薄陽が差す。新山口駅8時15分着。
最初の撮影地は、宮野駅〜仁保駅間、有名撮影地の一つ、大山路踏切(起点17K449m)と決めている。
薄陽が幸いし、影となる公式側が潰れる事は無いと、災い転じて心が弾む。

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旅客機のC57とは違い、貨物機のD51は、底知れぬ力を持っているので、
秋から冬に掛けてで無いと、流石に綺麗な煙は期待出来ないと、予め自分に言い聞かせて置く。

お目当の、大山路踏切(起点〜17K449m地点)のお立ち台に向け、はやる心を抑え、レンタカーを順法速度で安全に操る。
現場では、先客がお二人、挨拶を交わした後、速やかにベストアングルを切り、特等席の足許をバミル。
撮影直前には、撮影地はギャラリー達で、大繁盛の大賑わいとなる。

取り敢えず、特等席にスタンバイし、クーラーの効いた車内に、避難するのが常套だが、
今回は、踏切迄の道路は細く、侵入禁止の自主規制にて、入口付近の企業の駐車場をお借りし、機材を担ぎ小道を歩む。
駐車場では心付けとして、金五百円を箱の中に、静かに置かせて頂きました。


茜堂ーひかり580号(博多駅)

臨時特急ひかり580号、N700系、3580A列車、S13編成、新大阪行き、博多駅13番線、平成30年5月26日、撮影。
お隣の12番線は、7時33分に発車した東京行きの、のぞみ8号、N700系、8A列車、K13編成。

写真は、列車の先頭では有りません、最後尾の1号車です。前方へ撮影に赴く、気力が有りませんでした。
なにせ、本番の蒸機撮影迄、無駄な体力は浪費せず、温存したが為の措置で有る。
雨天で有っても毎日、1万歩を走破し、足腰は鍛えてはいますが、やはり老骨に鞭打ち乍らの、撮影行ですので、致し方御座いません。



茜堂-キハ40(山口線)

宮野駅〜仁保駅、大山路踏切(起点〜17K449m地点)手前、キハ40(タラコ色)、2524D列車、平成30年5月26日、撮影。
宮野駅を出て、S字カーブを切り乍ら、軽やかに上って来る、キハ40



茜堂-D51200号機(山口線)

宮野駅〜仁保駅、大山路踏切(起点〜17K449m地点)手前、D51 200号機、9521列車、平成30年5月26日、撮影。
辛うじて雨が治まり、曇天の中を走る。


茜堂-D51200号機(山口線)

宮野駅〜仁保駅、大山路踏切(起点〜17K449m地点)手前、D51 200号機、9521列車、平成30年5月26日、撮影。
軽やかなブラスト音を立て乍ら、
カマは、小気味良くカーブを見切り、カントを立て直し、次のカントへと向かう。

やはり重厚な瀑煙は、上がってくれ無かった。想定内とは言え、現実を直視すると、些か悲しい物が有る。
やはり温かい時期のD51は、ここら辺りが、煙の限界なのかも知れません。
曇天の甲斐が有って、逆光となるカマの公式側が、辛うじて影で潰れてはいません。


茜堂-D51200号機(山口線)

長門峡駅〜渡川駅、長門峡橋梁、阿武川(あぶがわ)、D51 200号機、9521列車、平成30年5月26日、撮影。
定番撮影地だが、D51と長門峡橋梁との、イメージが重なり合わない。

時間経過と共に、新たなイメージが構築され、D51と長門峡橋梁が、馴染む日が来る事でしょう。

魅惑の旧客風35系客車、前から、ダブルルーフ(二重屋根)の、スハテ35-4001(5号車、定員46名)、オハ35-4001(4号車、定員72名)、
ナハ35-4001(3号車、定員40名)、スハ35-4001(2号車、定員64名)、側面白帯のオロテ35-4001(1号車、定員23名)。

因に、以前使われていた以下の、12系客車は廃車後、大井川鐵道に譲渡されています。
大正風のオハ12-703、明治風のスハフ12-702、昭和風のオハ12-702、欧風のオハ12-701、展望車風のオハフ13-701。
大井川鐵道、平成30年2月26日、公式発表依り。

長門峡駅発車後、既に煙からは、迫力が消え去り、薄煙となっています。
但、キャブ屋根と、足元の白い蒸気が、一点の救いでも有る。
余力のD51だから、温かい時候だから、瀑煙迫力は無いのだと、自分を納得させ乍ら撤収し、車へと戻る。


茜堂-D51200号機(山口線)

船平山駅〜津和野駅、大蔭(おおかげ)踏切(起点〜59K511m地点)手前、D51 200号機、9521列車、平成30年5月26日、撮影。
旧道俯瞰の撮影地を下れば、大蔭踏切へと続き、渡ると直ぐ平地へと繋がる。

当地点では、走行中のカマを、正面からゆっくりと、捉える事が出来ますが、津和野駅迄は連続の下り勾配で、
カマは、絶気状態なので、残念な事に、煙は全く期待出来ません。
カーブ手点では連なる客車も入り、正面では通過時点迄、飽きる程、シャッターが切れます。

この後、有名撮影地の一つ、本門前(ほんもんぜん)踏切(起点〜60K581m地点)を渡り、津和野の市内へと滑り込んで行きます。
津和野駅では、カマの給水と石炭の積込み、方向転換を行い、暫し駐留します。
津和野駅15時45分に定時発車、新山口駅17時30分着の、9522列車の旅路が、始まります。



茜堂-D51200号機(山口線)

津和野駅〜船平山駅、本門前(ほんもんぜん)踏切(起点〜60K581m地点)手前、D51 200号機、9522列車、平成30年5月26日、撮影。

本門前踏切迄は後僅か、連続勾配16.7‰を軽々と、D51の貫禄を見せ乍ら、カマはゆっくりと登って行きます。
もう少し煙が欲しい所ですが、これで良しと致します。
本門前踏切を撤収後、最短で国道9号(山陰道)へ抜け、カマを追い掛けます。

前回同様、追っ掛け撮影には、法定スピードを遵守し、且つ安全運転に留意する。
今回は前回とは違い、地方警察職員様達に依る、速度取締り(通称ネズミ捕り)は、行われていなかった。



茜堂-D51200号機(山口線)

渡川駅〜長門峡駅、築地橋梁俯瞰、D51 200号機、9522列車、平成30年5月26日、撮影。

カマは眼下を遠くから、ゆっくりと蛇行を繰返し、最後のS字カーブの出口となる、築地隧道へと入ろうとしている。
下り勾配が続く中、トンネル迄の当区間では、上り勾配5.0‰だが、何事も無く軽やかに通過する。
田には水が張られ、空を映し、水面には苗の頭が出ています。


茜堂-D51200号機(山口線)

長門峡駅〜篠目駅、岩倉踏切(起点〜31K891m地点)手前、D51 200号機、9522列車、平成30年5月26日、撮影。

津和野泊の日程では、ここら辺りが夕飯迄の、タイムリミット。
いつもは、正面狙いが多いのですが、今回は、D51のサイドと客車が2両、アングルに収まってくれます。
ノンフィルターの為、落ち行く西陽が、カマをスチールブルーに、変身させています。

過ぎ行くカマを目で追い、無駄玉は慎み、撤収の準備に取り掛かります。
とは言ってもここは、急ぎの三脚無しでカメラ一丁ですから、レンズにキャップを被せる位です。でも、キャップは車の中ですが。
こちらをゆっくりと撤収し、法定速度厳守で安全運転の上、津和野の宿へと向かいます。


茜堂-D51200号機(山口線)

徳佐駅〜船平山駅、亀山第1踏切(起点〜50K295m地点)付近、D51 200号機、9521列車、平成30年5月27日、撮影。

本来ならば、有数の瀑煙ポイントでは有るが、やはりD51は余裕の走行。
薄煙が背景を曇らせ、煙幕の中から登場。



茜堂-D51200号機(山口線)

徳佐駅〜船平山駅、亀山第1踏切(起点〜50K295m地点)付近、D51 200号機、9521列車、平成30年5月27日、撮影。

背景の山々、緑のホリゾントが、薄墨で塗られている様な、気怠さを演出している様な雰囲気です。
窓から乗客が手や顔を出していないのが、一点の救いです。
徳佐S(エス)と言えば、瀑煙ポイントで名を馳せた、有名撮影地ですが、今後の運営社の対応に期待致します。

最後部の客車オロテ35-4001は、まだカントを抜け切っていないので、右側に傾いています。残念乍ら白線は見えません。
ダブルルーフの
スハテ35-4001が、良い感じを醸し出しています。


茜堂-D51200号機(山口線)

徳佐駅〜船平山駅、D51 200号機、9521列車、平成30年5月27日、撮影。

斯くして、徳佐Sカーブは、瀑煙が出ず不調に終った。
ここは最高でも瀑煙、最低でも瀑煙と期待し、上の2カットはカマを下側に配して、アングルを決めたが、
空しく、薄曇りの中から顔を出した様な、迫力の欠ける絵柄と相成った。

すかさずチルトダウンし、全編成を入れる為、レンズを引いて見ると、背景の山々や空の青さが、際立っているのが、良く分かります。
この時点では、申し訳ない程度に煙が上がっています。
最後部の客車
オロテ35-4001の、白線が辛うじて、見て取れます。


茜堂-D51200号機(山口線)

津和野駅構内、転車台D51 200号機、平成30年5月27日、撮影。

駐機所から後進し、転車台にて転車。
詰所前辺りで、9522列車牽引に向けて、暫しの待機となります。

石炭が綺麗な山となって、積まれています。多くも無く少なくも無く、重油併燃装置未装備乍ら、余裕の後ろ姿です。

この後、カマは津和野駅15時45分発の、客車の前に静かに滑り込みます。
カマの火床は万全に整えられ、新山口駅迄の、上り9522列車の仕業に、赴く事となります。
津和野駅を急ぎ離れて、野坂峠の旧道俯瞰へと、車を転向させます。


茜堂-ハートマーク

津和野駅〜船平山駅、旧道(野坂峠)、平成30年5月27日、撮影。

何処かにハートマークが、隠されています。カマ待ちの暇つぶしに、撮影をしてみました。
勿論、お分かりだとは思いますが、右側の中央に有る、葉の枠の事です。
でも、それ以外にも沢山、隠されています。それは見る角度に依って異なる、個々の葉の形が、ハートマークなのです。

本当に暇つぶしネタで、恐縮致します。
他にも、本門前(ほんもんぜん)踏切付近の、畦道で撮影した、お魚形の桔梗等も有るのですが、
流石に、二つの画像列記は陳腐ですので、割愛致します。



茜堂-D51200号機(山口線)

津和野駅〜船平山駅、旧道(野坂峠)俯瞰、D51 200号機、9522列車、平成30年5月27日、撮影。

現場に到着したら、数名のカメラマンが、既にスタンバイ。
ベストアングルを決め、取り敢えず、使わない三脚でバミル。時間迄、見知らぬ方々と暫しの雑談に花が咲く。
木々にまとわり付く、白い半化粧(半夏生、片白草)が、飾りの様で美しい。

眼下では、国道9号(山陰道)と市内との、野坂峠のバイパス工事が、可成り進んでいます。
完成しても、この位置からは、道路は隠れてくれる様な、感じがします。


茜堂-D51200号機(山口線)

渡川駅〜長門峡駅、長門峡橋梁、阿武川(あぶがわ)踏切(起点〜32K550m地点)、D51 200号機、9522列車、平成30年5月27日、撮影。

直球どストライクな、日の丸写真ですが、草木の合間を抜け、足場が悪くて、アングルが限定されます。
生い茂る木々の合間に、レンズを差し込んでの撮影、中腰前屈みの斜面。
草スキーの如く滑らぬ様に、足先に力を入れ、ボーゲンスタイルで、シャッターを切りました。

流石に、ここで撮影をすると、長門峡駅の発車、及び岩倉踏切(起点〜31K891m地点)手前の撮影には間に合いません。
車は、客車の3両目辺りを並走し、やがて列車は左の山並みへと、消えて行きました。
いつもの順法速度、安全運転で、山口駅へと向かいます。


茜堂-D51200号機(山口線)

山口駅〜湯田温泉駅、西惣太夫(にしそうだゆう)踏切(起点〜12K424m地点)、D51 200号機、9522列車、平成30年5月27日、撮影。

余裕とまではいかないが、列車はまだ、ホームには見当たらないが、
車を降りた途端に、ホームに滑り込んで来た。
機材を降ろしていると、先程、旧道(野坂峠)俯瞰でご一緒した、熊本の方も到着した。



茜堂-D51200号機(山口線)

山口駅〜湯田温泉駅、西惣太夫(にしそうだゆう)踏切(起点〜12K424m地点)、D51 200号機、9522列車、平成30年5月27日、撮影。

瀑煙が絶望的ですので、進行前のトングレールに、撮影もポイントを切った。
辛うじて日の丸写真からは、脱却した様です。
山口駅は、左の駅舎側のホームから、単式ホームの3番線、跨線橋を渡り、島式ホームの2番線、1番線となる。

山口駅では発着ホームが複雑で、3番線は下りSLやまぐち号と、下り特急スーパーおき、そして、上りと下りの普通列車が使用し、
島式ホームの駅舎方、2番線は、上りと下りの普通列車が使用します。
1番線は、上りSLやまぐち号と、上り特急スーパーおき、そして、上りと下りの普通列車が使用します。

後方、2番線に停車の気動車、キハ40(タラコ色)は、調べが遅かったので、
該当列車が無い、5月限定の臨時列車なのか知れません。
直ぐ調べれば良かったんだが、手元には時刻表の5月号は無いし、時期が訪れる迄、記録は諦めます。


茜堂=新幹線500系

博多駅、16番ホーム、こだま749号、749A列車、V8編成、平成30年5月27日、撮影。

新幹線500系電車は、JR西日本が唯一保有する車両で、
車両デザインは、福岡市交通局3000系電車等を手掛けた、ドイツのアレクサンダー・ノイミスター氏が手掛けています。
高速性に特化したデザインで、戦闘機の様なノーズが特徴です。

運転開始時の評定速度242.5Km/hと、二停車駅間の平均速度261.8Km/hは、フランス国鉄のTGVを上回り、
世界最速を誇り、1997年(平成9年)の、ギネス世界記録に認定されています。

N700系に於いても、最高速度300Km/hで、営業運転はしていますが、
山陽新幹線区間の速度種別(ダイヤグラムに於ける速度の基準)に於いては、500系が、U49(算出349Km/h-8M)であるのに対して、
N700系は、U43(算出343Km/h-14M27)となり、未だ、日本最速の営業運転用車両の座を誇っています。



平成30年5月27日、乗車券(復)、新山口〜筑前大分、(新山口、新幹線、博多、篠栗線経由)、JR九州、筑前大分駅POS発行。

券面の上部に押される「博多駅での途中下車は出来ません」の、スタンプが省略されています。
左側の赤印字の新山口入場と、博多出場には、月日と時間が記されています。
博多の出場印は、ラッチ内出場を表していて、決して、博多駅から出た訳では有りません。



SLやまぐち号撮影後記。

新山口駅で、次発の下り新幹線、博多行き「こだま749号」18時39分発の、1号車自由席に飛び乗り、各駅停車の旅が始まる。
乗客は、4〜5人程度で、スルメとノンアルを片手に、パラダイスで有る。
次発の博多行き「のぞみ41号」18時58分発には、厚狭駅であっさりと追い抜かれるが、承知の上で有る。

新幹線の500系V8編成、狭い乍らも楽しい車内、今の内に存分に楽しんでおこう、博多駅迄は贅沢な時間が有る。
各駅停車の旅も中々です。カメラのバッテリーも残っているので、
二日間頑張った、撮影画像のチェックに、ノンアル、スルメと共に、楽しく勤しむ。

尚、6月からは、C571号機が秋迄の間、やまぐち号を担う予定でしたが、
C57 1号機の車軸に、不具合が見つかり、運用から外されました。
6月9日〜7月1日迄を、D51 200号機が延長で運行を行い、7月7日〜16日の運行は、列車自体が運休となります。

D51 200号機も、4月7日には仁保駅で、コンプレッサーの不具合が見つかり、同乗の検査担当社員が安全を確認の上、津和野駅迄運行。
津和野駅構内での運転前点検で、再度不具合が見つかり、残念な事に、DD51が本務機として付いています。

4月8日の運用では、D51 200号機は出場せず、DD51が代役を担っています。
SLの機材繰りが厳しいのと、安全運行の為には、カマに無理をさせないと言うのが、大前提と成っている様です。





撮影地の名称は、必ずしも駅名を表すものでは有りません。
掲載写真は、茜堂による原盤ネガ及び、デジタル原版からの画像の為、無断複写は禁じております。

解説に於いて、誤記や解釈の違いにより被られた不利益につきましては、茜堂では一切関知しないと共に、責務を負えない事をご了承願います。
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